「偏差値という言葉を知らない子供に来てほしい!」英語教育の麹町学園
東京都千代田区に、名物校長先生が率いるおもしろい学校がある。麹町学園女子中学校・高校である。この学校は100年以上の歴史を持つ中高一貫校であるが、この学校が校長のリーダーシップのもとに大改革を果たしつつあるのだ。「英語が大好きになる学園!麹町学園」と銘打ったこの大改革の全貌をえいごismは取材した。
「中学受験の対策を一切していなくても、英語が大好きで本格的に学びたいという子供たちのための入試を始めました。それがアクティブ・イングリッシュ入試です。受験対策をせず、小学校生活をのびのびと送ってきた子供たちを歓迎したいと思います。」(山本校長)
関西でのV字回復の立役者が関東に
山本三郎校長は、大阪出身で、低迷していた関西のある学校をV字回復させたことで有名な人物である。この校長が、関東のど真ん中で、今、英語教育の大改革を実現しつつある。
校長自身は英語の専門家ではない。そこで、英語科特別顧問として、文科省の審議委員もつとめた、有名な予備校講師の安河内哲也氏を招聘した。氏も、校長のビジョンに共感し、日本の英語教育のモデル校を作る意気込みである。
すでに実現したものを列挙するだけでも驚きのスピードである。
【2016年4月以降、現在においてすでに実現した改革】
・全学年、週6日間、朝10分間の英語音声活動を開始。
・古い副教材をすべて廃止し、生徒のレベルにあった検定教科書に全学年を統一。
・単語集や全訳冊子の配布により、調べ物・ノート作りなどの作業を全廃。
・全学年の定期試験を4技能試験に変更。全学年、全教員で形式を統一し、範囲を累積させる形式に。
・すべての授業を活動型の生徒主体の英語授業に変更。
・全生徒に対して、月2回のスカイプ英会話を実施。
・英語アクティビティ・多読ライブラリーを完備した iLoungeを設置。
・前教室にプロジェクターおよび、英語全教科書のデジタル版を完備。
・東洋大学との完全連携による、高大一体化コースを実現。
・英語中心型入学試験と外部試験の導入を国に先駆けて実現。
よくある抽象的なかけ声だけの「グローバル」ではなく、麹町学園の改革は、極めて具体的である。とりわけ、定期試験、入学試験、教科書、授業に切り込んだ改革は極めて珍しい。
山本校長の次の目標は、既存の中学入試の偏差値の序列にとらわれない選抜を拡大していくことである。全国の英会話教室との連携により、英語を楽しく学びたい生徒を中心に選抜する試みを開始する。「偏差値という言葉を知らないこどもに来てほしい!」山本校長は言う。
今年は去年以上に多くの新しい試みが麹町学園から飛び出してきそうである。英語が大好きで、たくさん学びたい子供には理想の学校が生まれそうだ。
(えいごism 学校取材班編)
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