厳格な菜食主義”vegan(ヴィーガン)”とベジタリアンの違いとは?
世界中に広がる、厳格な菜食主義”vegan(ヴィーガン)”。
ベジタリアンとは一線を画す厳格さにはどのような理由があるかご存知ですか??
現在、日本は外国人観光客が増加中でありなが、このような世界の情報に追いつけていないという問題があります。
また、海外だけのものではなく、日本国内でも”vegan(ヴィーガン)”は大きな意味を持ちます。
料理店、レストランを経営の方はもちろん、
地球で生きる全ての人に考えてもらいたいものなのです。
菜食主義:ベジタリアンと、ヴィーガンの違い
ベジタリアン(vegetarian)という言葉はおそらく誰でも知っているでしょう。
ベジタブル(Vegetable)から派生していますから、とてもわかりやすい言葉です。
でも、最近のアメリカで実際によく使われるのは”vegetarian”ではなく、より定義の明確な”vegan(ヴィーガン)”です。
ベジタリアンというのは、かなり定義のゆるい言葉で、肉や魚は食べないけれど乳製品や卵は食べるという人も含まれます。
中には肉は食べないけれど魚は食べるという人もベジタリアンを自称していたりもします。
使い方としては間違っていますが、そもそもほとんど魚を食べないアメリカ人にとっては動物系食物を食べないイコール肉を食べない、という解釈になっても不思議はありません。
ちなみに肉は食べないけど魚は食べる人を”pescatarian(ペスカタリアン)”ということもあります。
シーフードパスタのペスカトーレ(イタリア語で漁師の意味)を思い起こせば覚えやすい単語ですが、あまり一般的な単語ではありません。
こうしたベジタリアンやペスカタリアンに対し、
”vegan”は動物系食品を一切食べない人のことを指します。
肉と魚にくわえて卵や乳製品も一切口にしません。
バター、ヨーグルト、チーズもだめです。
こうした卵や乳製品も一切食べないヴィーガンは、宗教上の理由からインドに多いことが知られていますが、アメリカでもここ数十年激増しています。
vegan(ヴィーガン)の理念は環境と動物を守ること
とは言え、そのモチベーションはアメリカとインドでは大きく異なっています。
アメリカのヴィーガンのモチベーションはヘルスコンシャスやナチュラル志向といった、従来のベジタリアンのイメージとも少し異なります。
アメリカの(西洋の)ヴィーガンの動機のトップは環境保護と動物愛護なのです。
膨大なエネルギーを要する食肉飼育は環境に悪影響があり、地球規模での食糧問題にもつながるからです。
漁も海と海洋生物の環境を破壊するので魚も同様とされます。
“Vegan Society” は、ハチミツもダメ(ミツバチに必要な栄養を奪うことでミツバチの生態を妨げる)としています。
かねてよりアメリカの若い人には、日本と比べてベジタリアンがかなり多いという印象がありました。
私が子育てをしていたころ(10年以上前)、動物を殺したくないから肉は食べないという「一人グリーンピース」な小学生がいたものですが、彼らが大人になった今、そのモチベーションには動物愛護に環境保護が加わったわけです。
アメリカのレストランには高級レストランからカジュアルレストランまで、たいていはヴィーガンメニューがいくつかあります。
ヴィーガンは若い世代に特に多いので、結婚式の披露宴などではヴィーガンのチョイスも用意するのがほぼ常識化しています。
娘や息子の影響でヴィーガンになる中高年もいて、ビル・クリントンがヴィーガンである娘(チェルシー)に勧められたヴィーガン・ダイエットで減量に成功したことは有名です。
ちなみにチェルシーの結婚式ではウェディングケーキもヴィーガンでした。
菜食主義は効果的なダイエットとして一般的
ヴィーガンに限らず、アメリカ人には食べるアイテムを制限する何かしらのダイエットをしている人がとても多く、ちょっと前には、小麦粉に含まれるグルテンを排除する”gluten free(グルテンフリー)”が一斉を風靡しました。
炭水化物を避ける”low carb diet (ローカーボダイエット)”も相変わらず根強い人気があります。
ヴィーガンがこれらのダイエットとも従来のベジタリアンとも異なるのは、その主な目的が自分の健康という利己的なものではなく、世界の環境(あるいは動物)保護にあるという点です。
そのため、ヴィーガンには自分がヴィーガンダイエットを実践するだけではなく、そのプロパゲーションにも熱心な人がいるのもベジタリアンとの大きな違いです。
もちろん中には自分の健康上の理由でヴィーガンを実践している人もいますが、「環境のための食制限」というコンセプトは、他のダイエットにはない特徴です。
それにしても、どうしてアメリカでは、こうした極端な食制限を伴うダイエット(食生活)が簡単に広まるのでしょう。
私は食生活にこだわりのないアメリカ人が多いからだと思います。
はっきり言えばおいしいものを食べていないから。
よくも悪くも、日本で環境と動物保護のためにヴィーガンになる人がアメリカ並みに増えるとは思えません。
おまけ:ベジタリアンのギャグを英語で
さて、かなり昔からあるアメリカ版オヤジギャグに
“see food diet”
というのがあります。
発音はまったく
“sea food diet”
と同じです。
“I ‘m on see-food diet. I see food, I eat it. Haha”
オレはシーフード・ダイエットしてるんだ。見たものは何でも食べちゃうんだよ。ワッハッハ
という風に使います。
もちろん、こんな寒いギャグを今時のアメリカで得意気に披露したらドン引きされるのは間違いありません。
親父ギャグとは、例えそれが英語だったとしても失笑の種なのです。
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