英会話ができない人に共通する落とし穴【純ジャパ英語勉強法】
純ジャパバイリンガル有子山博美の英語勉強法
「ありこやま」ではありません。「うじやま」です。英会話の落とし穴について聞いてください。
英会話上達のカギは
「素直に真似すること」
英会話上達のカギは、なんといっても「素直に真似ること」です。
乳幼児が母国語を習得していく過程を思い浮かべてみてください。まずは大人の会話を毎日観察し、「こういうときはこう言うんだ」というデータベースをつくっていきます。そしてそれを「そのまま真似して言ってみる」のがアウトプットの第一歩です。
もちろん、目と耳だけを頼りにフレーズを習得するため、初めは勘違いや言い間違いが多々あります(たとえば、「ちょうだい」と言うべきところで「どうぞ」と言ったり、「おかえり〜」と言いながら帰宅したり、逆の立場のフレーズを覚えてしまうケースをよく目にします)。
すでに日本語を身につけている私たちが英語を学ぶ際は、和訳や日本語での解説を参考にすることで「勘違い」や「言い間違い」を減らし、より効率的に短期間で身につけることができます。ただ、日本語と英語は単純に1対1で置き換えることのできない、まったく異なる言語なので、「訳すこと」にこだわりすぎると、「自然な英語の習得」からは遠のいてしまうのです。
いつまでたっても上達しない人の特徴
私がこれまでに見てきた、「長年英語を勉強しているのにいつまでたっても英会話が上達しない人」の特徴は次の3つです。
- まず日本語で考え、それを直訳するクセがついている。
- 英語らしい英語(ネイティブの英語)のインプット量が足りない。我流を貫いている。
- 小さな疑問にこだわって前へ進めない(「なぜそう言うのか」「○○ではダメなのか」という質問が多いタイプ)。
英語と日本語では、すべての単語を1対1で置き換えることなどできません。
もちろん、「dog=犬」「book=本」のように=(イコール)で結びつけても問題ない単語もありますが、英語にはあって日本語にはない単語や概念(もちろんその逆も)がたくさんあります。
単語集などでは便宜上、1つの英単語に1つの和訳が付けられていますが、実際にはニュアンスやカバーする意味の範囲が違うことが多いのです。
また、文の構造はもちろん、言語の背景となる文化や考え方、発想も大きく異なります。
子供のように吸収しよう
たとえば、I’m sorry.は日本語の「ごめんなさい」や「すみません」とイコールではありません。I’m sorry.には「残念・気の毒に思う」という意味もあり、相手に対する慰めやお悔やみとして使われることもあります。また、日本語で言う「すみません」は、I’m sorry.よりもExcuse me.やThank you.に近い場合もあります。
また、日本にいる外国人に日本へ来たきっかけを尋ねる際は、What brought you to Japan?(直訳すると「何があなたを日本に連れてきたの?」)という言い方が一般的で、Why did you come to Japan?(どうして日本に来たの?)と聞くとややで、失礼にもなりかねません。無生物主語は日本語にはない考え方なので初めは戸惑うかもしれませんが、ネイティブの会話では本当によく登場します。
このように、英語と日本語はまったく違う言語なので、たとえば「どうしてWhatが主語になるの?」「Why〜?だとどうして直接的なニュアンスになるの?」という疑問はナンセンスなわけです。ネイティブに尋ねても、「普通はそう言うから」としか答えられないでしょう。英語の発想や考え方とはそういうものだからです。
外国語を効率的に習得するには、和訳や日本語での解説を参考にしつつも、子供のようにまっさらな気持ちで素直に吸収すること、細かい点にはこだわらず「こういうものなんだ」と受け止め、自然な言い回しを大量にインプットすることです。インプットすればするほど、「普通はこう言う」というネイティブの感覚に近づくことができます。
声に出して言ってみる、どんどん使ってみる
また、新しいフレーズは「声に出して言ってみる」こと、「どんどん使ってみる」ことを習慣化しましょう。声に出すことで、より覚えやすくなるばかりか、いざというときにパッと口をついて出てくるようになります。
そして、知識は実際に使うことで定着します。もちろん初めは間違えることもあるかもしれませんが、私たちが母国語を身につけたときと同じように、「覚える」→「使う」→「間違える」→「修正する」というプロセスは語学習得には欠かせないのです。
もう一度、英会話上達のコツをまとめますね。
- 「ネイティブの英語」をそのまま真似する。
- 実際に使ってみる。できればネイティブにチェックしてもらい、修正を重ねる。
- 「声に出す(つぶやく、ささやくでも可)」を習慣化する。
しつこいようですが、「ありこやま」ではありません。「うじやま」でした。
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