トランプ大統領よりも怖〜いお話 ”Status quo” アメリカ直送!最新トレンド英単語

トランプ大統領よりも怖〜いお話 ”Status quo” アメリカ直送!最新トレンド英単語
8月 17, 2017 黒田基子
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トランプ大統領よりも怖〜いお話 ”Status quo” アメリカ直送!最新トレンド英単語

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アメリカで今もっとも使われているトレンド英単語を、アメリカ在住の筆者が現地から直送。

アメリカで起きていることが手に取るように知ることのできる最新ニュースの話題と一緒に、
最新、今旬の英単語をご紹介します。

さて、今回は夏らしく背筋の凍るお話・・・?
ヒンヤ〜〜リ

今日のアメリカ直送採れたてトレンド英単語

“status quo”
現状維持、今の状態そのまま

解説

この”status”は地位ではなくて、「状態」という意味です。
”quo”(クオ)という耳慣れない単語はラテン語。

この英語の成句自体はネガティブなものではありませんが、ニュースに出てくる場合は大抵はネガティブな意味で使われています。

英語版のウィキペディアには

“The status quo is generally perceived negatively by supporters of the social movement, and people who want to maintain the status quo can be seen as being resistant to progress.”
“status quo”は一般的に社会運動の支援者にはネガティブにとらえられ、”status quo”を保とうとする人々は進歩への抵抗とみなされる。

とあります。

英単語”status quo”のニュアンスと例文

”status quo”は、「社会は常に進歩すべきである」という通念と正反対の意味合いを持ちます。
とりわけ政治家の発言の中で出てくることが多く、一見リベラル派が使いそうな言葉ですが、今のアメリカではちょっと事情が違います。

“Status quo”は、ネイティブにこんな感じで使われています
もちろんトランプ大統領も使ってます!

たとえば共和党の悲願である「オバマケア(健康保険法案)廃案」に反対するリベラルは、共和党から見れば健康保険の「改正」に反対して”status quo”に固執している人々である、という理屈が成り立つからです。

イバンカ・トランプまでもが「父は政府を変えようとしているのに”status quo”にこだわる人たちがそれを妨害している」といったナンチャッテ政治家発言をしています。
まあ、確かにトランプは民主国家のあるべき”status quo”を日々破壊していますが。

トランプ大統領より怖〜い

今、トランプと共和党の推進する「変化」に対抗するため、リベラル派は”status quo”を守る側になっています。
特に健康保険の問題では各地で共和党法案に対するプロテストが起きていています。が、健康保険で”status quo”を守れても、それでめでたしというわけにはいきません。
そもそもトランプを生んだアメリカのstatus quoを変えなければ問題は解決されないからです。

そして、二大政党制のアメリカでは、共和党とトランプに対抗する唯一の頼みの綱は民主党なわけですが、その民主党が”status quo”に固執することは驚くばかりです。
アメリカ人の支持が格差是正を目指すプログレッシブな方向にシフトしていることは去年の選挙で明確になっているにも関わらず、改革路線を打ち出す気配はありません。
「所詮はポリティカリーコレクトなプロビジネス政党」というイメージのままなのです。

これをバーニー・サンダースは
「ファーストクラスシートを確保するためにタイタニックに乗り続ける人たちがいる」と言っています。
(相変わらずバーニーの発言はわかりやすい)

権力を守るために、沈没していく船に乗り続ける・・・。真っ暗な極寒の海の真ん中でお金がたくさん入ったケースを抱え、お金の重みでどんどん沈んでいくのに離さない。
よく考えると背筋がぞっとしませんか?

現在の民主党幹部の裸の王様ぶりはトランプ顔負けです。
今やヒラリー以上に嫌われ者のナンシー・ペロシをリーダーにしたままでは、2018年の中間選挙は勝てないし、次の大統領選挙だって危ない。
世間はトランプのトンデモぶりに気をとられていますが、その先を考えると一番深刻なのがこの、民主党の”status quo”なのです。

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