生徒が勝手に勉強し始める「教えない英語授業」とは?【達人の教室から】
英語でアクティブ・ラーニングの授業を始めましょう!:山本崇雄(両国高校)
英語の先生は、今やとても多くのことを求められています。
英語の授業は「英語で行う」ことだけでなく、生徒主体のアクティブ・ラーニングの授業が求められ、授業のあり方を大きく見直している先生も多いのではないでしょうか。
2020年の東京オリンピックに向けたグローバル化に対応した政策も英語の先生に矛先が向いています。特に、「英語で行う」授業に難しさを感じている先生も少なくないと思います。
僕自身も教師になりたての頃は、授業を「英語で行う」ことなど思いもしませんでした。生活指導に追われ、授業準備もままなりません。
「楽しい」授業を漠然と目指し、授業は日々試行錯誤の連続です。そんな中、勤務先の地区で英語の研究授業が行われ、驚きの光景を目にします。
普通の公立中学校の1年生がAll Englishの授業を全員目が輝かせながら生き生きと学んでいたのです。中学校1年生には「英語で行う」授業は無理だと決めつけていた僕には衝撃の光景でした。僕もあのようなAll Englishの授業ができるようになりたいと強く思い授業改善を始めました。
しかし、「英語で行う」授業を受けたことのない僕にとって、この改善は簡単ではありませんでした。
そこで、僕は2つのことを始めました。1つは、できるだけ多くの「英語で行う」授業の見学。
もう1つは、授業で自分が話す英語(Teacher Talk)の台本作りです。見よう見まねで、授業で使える英語の表現を増やしていきました。そして、教師になって10年目、全英連東京大会で1000人の参観者の前でモデル授業をする機会に恵まれました。その大舞台でごく普通の公立中学校の1年生とAll Englishの授業を披露することができるようになったのです。生徒たちも生き生きと学んでくれました。
英語で授業ができても晴れないモヤモヤ感
しかし、この時、モヤモヤとした目に見えない課題を感じていました。このモヤモヤはなかなか晴れませんでした。その課題が何かを教えてくれたのが2011年の東日本大震災です。ゼロから立ち上がる人々の強さを見て、自立とは何かを考えさせられました。そして、僕の授業には生徒を自立させるという観点が抜けていたと気付いたのです。つまり、僕がやっていたのは、教師が主導するAll Englishの一斉授業だったのです。
そして、生徒が主体的に学ばなければ、自立した学習者を育てることはできないと考え、自分の授業スタイルを大きく変えました。
生徒に任せてみよう。
そこから「教えない授業」をスタートしました。それが「英語で行う」アクティブ・ラーニングの授業です。
教えない授業、6年間の軌跡
このように僕の授業が大きく変わった2011年。この年に入学してきた生徒たちを高校3年生まで受け持つことができました。今、生徒たちは受験に立ち向かっています。「教えない授業」で受験は大丈夫?この6年間散々言われてきたことです。
しかし、センター試験後、「先生、 おれ全然受験勉強しなかったけど、センター試験の英語、196点取れたよ」と言って、自信に満ち溢れている顔を見ると、現行の入試制度でもこの方法は通用すると確信しています。
生徒を自立させ、学びの心に火をつければ、生徒たちは自分たちで進んでいくのです。
Enjoy making mistakes!
ぜひ、「教えない授業」の発想で行うアクティブ・ラーニングの英語の授業を一緒に始めましょう。「英語で授業をする自信がない」という声もよく聞きますが、英語で授業する上で一番大切な心構えは、Enjoy making mistakes.「間違いを楽しもう」です。僕は、「英語で行う」授業は生徒と間違いを楽しみながら、ともに成長できる場だと考えています。英語のよき「学び手」である姿を生徒は見て学びます。少し気を楽にして始めるといいと思います。
この6年間の軌跡を3冊の本にまとめました
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