多読の伝道師、古川昭夫先生【えいごイスト列伝】

多読の伝道師、古川昭夫先生【えいごイスト列伝】
1月 16, 2017 Ism Editor

多読の伝道師、古川昭夫先生【えいごイスト列伝】

スポーツでも練習しながらおぼえていく。読んで楽しみながら、ルールをおぼえていけばいい。日本の英語教育にはこの要素が欠けているんです。

日本の英語教育を牽引する、えいごイストたち。彼らの人となりやメッセージを紹介するのが、この「えいごイスト列伝」です。今回のえいごイストは、多読教育の伝道師の異名をとる SEG代表 英語科総主任の古川昭夫先生です。

日本の英語教育では「学ぶ」ことが多すぎて、実際に英語を「使う」ことが少ないと思ったんです。それが私が多読と関わり始めたきっかけです。日本人が日常もっとも気軽に英語に触れるためには英語の本を読むことですから、多読から入るのが最も速いんです。多読は、いつでも、どこでもできますし、時間や場所を選びません。

多読といっても、まずは簡単な英語からでかまわないのです。特に中学校の英語は、汎用性が高く使えますね。高校の時に学ぶ英語には役に立たないものも多いですから。

今の大学入試では、非常に難しい英語が出題されますが、それは、日本語に例えると、小学生にいきなり夏目漱石や安部公房の文学を読ませるようなものですね。日本語だって最初は、簡単な少年ジャンプのようなマンガから、ライトノベルへとレベルアップしながら、読解力のレベルを上げていったはずです。英語も同じようにすればいいんです。

同じものを何回も読むだけのような訓練は、スポーツに例えると壁打ちのようなもので、楽しくないから飽きてきますよね。中1くらいだと、同じものを2〜3回読ませることもします。しかし、ある程度まで基本が身についた後は、どんどん読み進めるように指導しています。もちろん、わかるレベルのものを読むから楽しいわけです。そのようなところから初めても、エール大学に進学するレベルまで伸びた生徒もいるわけです。

最初は文字がちょっとしかなく、薄っぺらい絵だらけの本から始めるんです。そして徐々にレベルを上げていく。中3の終わりくらいには、簡単なペーパーバックくらいまで読めるようになってくる。高2くらいになると、現地の高校生が読んでいるような本を読む子もでてきます。特にTOEFLの受験勉強をしなくても、TOEFL iBT 90点以上とれる子も出るんです。

よく「日本人は読めるけど話せない。」という声を聞きますね。でも私は「読めないから話せない。」んだって思うんです。よくある話ですが、外国で専門分野のプレゼンをするときには準備するから話せるけれど、パーティーになったら話せなくなる。やはり、読むことによって英語をインプットしていなければ、アウトプットもできないんです。

でも、多読は、好き勝手にやらせれば良いというわけではありません。適切な本を適切なタイミングで勧める、また、その子の嗜好性にあったものを勧めるなどの適切な指導が必要です。また、生徒の興味の幅に答えられるだけの多様な本を準備することも重要です。ただ、放置して読ませておけば良いというものではありません。スポーツでもそうですが、強い選手を育てるためには優秀なコーチが必要なんです。

 英語多読コース

古川先生は、学ぶ楽しさを重視し、能力を開発する科学的教育グループ SEGの代表を務めている。そして多読の有用性と楽しさを発信し続けている。

古川先生の多読法をもっと知りたい方は、著書「英語多読法」が小学館より絶賛発売中!

コスモピアから発売されている「多聴多読マガジン」も多読の参考になります。


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