ほんのちょっとのコツでスピーチはうまくなる!【安コーチ英語道場】
だれにでもできる!スピーキング入門:安コーチ英語道場
英語の勉強は鬼コーチ安コーチにまかせてください!今回は、スピーキングテストについてお話しします。
スピーチの最重要ポイントとメリット
突然ですがみなさんは、スピーチ、得意ですか?
私は、予備校講師という職業柄、スピーチが苦手だと失業してしまいますから、スピーチの練習は――日本語でも英語でも――これまでたくさんやってきました。
とはいっても、最初から上手かったわけでもなんでもなく、大学1~2年のころは、人前でしゃべるときに、うまく自分の意見がまとめられなくて非常に苦労した覚えがあります。
中でもとくに、「時間を守る」ということができなかったのです。たとえば、「5分で話してください」などといわれても、5分できれいに終わらせることができず、10分かかってしまったりしたものです。
予備校講師として働き始めたときも、90分で授業を終わらせなくてはいけないのに、10分延長して100分かかってしまい、生徒から苦情が…なんてこともありました。この「時間内にまとめてしゃべる」というのは、大変難しく、非常に重要な技術です。
みなさん、結婚披露宴に参加されたことがおありかと思いますが、乾杯の前のスピーチなど、思い出してみてください。しゃべり始めたときは、「この人の話は面白いな」と思ったのに、その後、話があっちこっちに飛んでしまって、いつまでたっても終わらない……いったいいつになったらお酒飲めるのー?という経験をされたことがある人が、ほとんどではないでしょうか。
つまり結局、「話」というのは、個別のものを面白くするのはカンタンなのですが、終わるというところがいちばん難しいのです。
きれいに終われば大成功!
そしてそれこそが、スピーチの最も大切な部分なのです。これまでいろんな会議やシンポジウムに出席する機会がありましたが、大変ご高名な先生であっても、この「時間内に終わらせる」のが苦手な方はけっこういます。偉い先生でさえもそんなことになってるわけですから、言いたいことを時間内にまとめて話すことは、日本語でも英語でも、非常に難しいといえるでしょう。
皆さんは、英語の学習の一環として、「英語スピーチの練習」に取り組むわけですが、実はこれをやると、英語だけでなく日本語をしゃべる力も向上するのです。
そしてこれはたとえば会議や生活などの場面で、非常に役に立つ技術なのです。ですからこれは単なる「英語の勉強」ではなく、「日常生活でもきわめて役に立つことが同時に身につくのだ」と、頭の片隅に置いておいてください。
結論を先に言え!
英語スピーチの構造で、まず大切なのは、「結論から先に言う」ということです。日本語のスピーチの場合は、「起・承・転・結」という型がよく使われます。つまり、本題とあまり関係のないトピックから始まって、いろいろなところを撫でて、最後に言いたいことが出てくるという形です。
ですが、英語でこれをやってしまうと――つまり、先に結論を言わずに、違う話から始めると――聞いている側から「何を言っているのかわからない…」と、言われてしまうことがとても多いのです。ですから英語では、何をおいてもいちばん大切なことをいちばん最初に言いましょう。
たとえば、「◎◎について、賛成か反対か?」とお題を投げかけられたら、まず「私は賛成[反対]です」と言うこと。たとえば、「好きな季節は? その理由とともに教えてください」などと言われたら、まず、「私の好きな季節は~です」と先に言ってから、理由を述べるようにするのです。
この「先に言ういちばん大事なこと」を、Assertion(主張)と呼びます。さて、Assertionを出したらその次にはそう主張したReason( 理由)を述べます。さらに続けてReason を証明したり具体例を挙げて根拠を太くしたりします。これをEvidence(証明)やExample(例)やSupporting Information(補足情報)といいます。英語スピーチではこの三段階で、話をまとめていきましょう。そして最後にAssertionをもう一回出して、結論づけて終わらせます。これはConclusion(結論)といいます。
これで、次に人前で話すときから、あなたはいきなりスピーチ上手です。
※上記の内容は、Jリサーチ出版から発売されている「ゼロからスタート英語で話すトレーニングブック」(ディビッド・セイン、安河内哲也著)に収録されたコラムです。本の中では、トレーニングのメニューが豊富に準備されています。ぜひ、この本で練習してみてくださいね。
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