音読学習に失敗しないための、黄金の三原則とは?【安コーチ英語道場】

音読学習に失敗しないための、黄金の三原則とは?【安コーチ英語道場】
1月 18, 2017 Ism Editor

音読学習に失敗しないための、黄金の三原則とは?【安コーチ英語道場】

だれにでもできる!スピーキング入門:安コーチ英語道場

英語の勉強は鬼コーチ安コーチにまかせてください!今回は、スピーキングの基礎訓練、音読を成功させる黄金の三原則についてお話しします。

音読がブームです。「音読すれば成績やスコアが上がる。」「音読すれば話せるようになる。」そんな噂を聞いて音読に飛びついたものの、全然英語ができるようにならない。そんな人が多いですね。音読は英語の基礎訓練として必須ですが、過剰な期待をもったり、目的を意識しないデタラメな音読を繰り返したりしても、成果は上がりません。ここでは、音読学習を成功させるための黄金の三原則を紹介します。

1.正しい音を聴いてまねる

言葉をマスターするひとつの重要なポイントが、「まねる」ということです。日本語と英語の音は、とても違っており、英語のアルファベットを見て、それを日本語の音に当てはめるような音読をしていたのでは、耳の力や発音の力が育つことは決してありません。

実際に、「音読をやっているんだけど効果がない…」と相談してくる人に話を聞くと、ネイティブスピーカーの音を参考にせず、英文をデタラメなところ区切っていたり、デタラメな発音で読んでいたりします。ですから、音読学習ではまず、「正しい英語の音を聞き、それをまねて音読する」ということを大前提にして、練習してみてください。

突然ですがここで1つ質問です。みなさんは、発音記号を読めますか?

発音記号が読めると、発音の勉強はサクサク進むようになり、みなさんの英語発音力を向上させる大いなる助けになります。というのも、英語という言語はつづりどおりに読めない言葉なの

です。たとえばscientist(科学者)という単語は、つづりどおりに読むと、「スクイエンティスト」となりそうですよね。ですが、実際の発音は、カタカナ表記すると「サイエンティスト」と発音しますね。このように、つづりどおりに読めない英語の発音を、正確に学んで正しく発音するためには、発音記号をひととおり理解しておくことをおすすめします。ただし、これはいっぺんにやる必要はありません。英語学習の合間合間に少しずつがいいですね。

つまり、「発音を全部直してから音読しなくては……」と考えるのではなく、「音読をしながら徐々に発音を直せばOK!」ぐらいの、おおらかな気持ちで取り組んでいってください。

2.英語を語順のまま理解する

単に英語の音をまねる「だけ」ではまだ不十分です。たとえ発音や区切りなどの技術的な面がクリアできていても、何も考えずに音読しているだけでは、効果的な音読学習とは言えません。

実際、「音読をやっているけど効果がない…」と相談してくる人に話を聞くと、そのほとんどが、ただただ英語を発するだけの、上すべりなトレーニングをやっていました。そのような読み方をしているだけでは、たとえばリスニング問題のナレーションを聴いたときに、内容がわかるようになるはずはないですし、英会話で、言いたいことを英語で言えるようもなりません(なにせ、相手が言っていることが分からないわけですから)。

英語は言葉です。音声現象と意味は密接に結びついています。言葉というのは、表面を超えて意味に意識が向いたときに、本来の力となるわけです。ですから音読学習において、「意味を理解しながら読む」ことは非常に重要だと心得て、いつも心がけるようにしましょう。

ちなみに日本人は、「英語の意味を理解する」=「きれいな日本語に訳すこと」だと思ってしまうことが多々ありますが、それは違います。

英語をきれいな日本語に訳そうとすると、日本語と英語の語順が異なるために、後ろから戻って読むことになりかねません。そして、後ろから戻ってきれいな語順の日本語にすることばかりやっていると、左から右へと消えていく音声を聴き取る力や、英語をどんどん読み進める速読の力が身につきません。

そこで、やはり音読が大切なのです。英文を目で追って声に出して読みながら、頭の中で英語の順番を入れ替えて日本語に訳すことは、できませんよね。

つまり、「音読をしながら英語がわかる」とは、左から右に、正しい英語の順番どおりに英語を英語のまま理解する――英語をそのまま頭の中でイメージ化する――ことにほかならないのです。

ですから、音読学習の際はぜひ、「頭の中に映像を描きながら読む」ようにしましょう。速く読む必要はありません。ゆっくり、1文ごとに止まって、その文の内容をじっくり味わい、頭の中に描きながら読んでみてください。

最終的には日本語に訳さず英語のままで!とはいえ初級者の場合、「英語を英語のまま理解する」といっても、いきなりそこにたどり着くのは難しいかもしれません。

そこで、いきなり英語を英語のまま理解しようとするのではなく、最初はあえて日本語を使いながら、英語を左から右に、意味グループ(=意味のまとまり)ごとに理解したうえで、次の段階として日本語を頭の中から消し、英語だけで左から右に理解をするという訓練をしていくのが、特に初学者には効率的です。

3.誰かに伝えようとする

音読学習する英文を、伝える対象となる人物がいると想定するのも重要です。そしてその人に向かって、「伝えよう」という気持ちで読んでください。

対象は、人形でもぬいぐるみでも写真でも何でもいいです。それに向かって「伝えよう」「教えよう」という気持ちで、感情をこめて音読するのです。片手に教材をもち、空いている片手を動かしながら読むのもいいですね。

とにかくそうやって、意味を味わいながら感情をこめて読むこと、これをやってみてください。この方法は非常に重要な効果があります。まず、英文には「強く・ゆっくり読む部分=重要な部分」と「弱く・速く読む部分=あまり重要でない部分」があります。

英文の内容を伝えようと意識して音読訓練をすると、次の例のように、文中でいちばん相手に伝えたい重要な部分を、強く・ゆっくり読むという、本来そうあるべき読み方に自動的に変わっていくのです。

意味を考えずに読んでいる人の音声は、お経みたいになっていることが多いのですが、このトレーニング方法はそれを解消する効果があります。ですから、ぜひとも心をこめて、「一読入魂!」の気持ちで、音読してみてくださいね。

※この記事はJリサーチ出版から発売中の「ゼロからスタート正しい音読学習(安河内哲也・ミッキー・エイコーン著)」に掲載されている内容を編集して作成されたものです。実際の英語を使った練習はこの本を使ってやってみてくださいね。


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