ロサンジェルスでいつもと変わらない日常を送る。格差、温暖化、入国制限… 変化するあらゆるもののそばで〜徒然アメリカ滞在記

ロサンジェルスでいつもと変わらない日常を送る。格差、温暖化、入国制限… 変化するあらゆるもののそばで〜徒然アメリカ滞在記
June 9, 2017 山久瀬洋二

ロサンジェルスでいつもと変わらない日常を送る。格差、温暖化、入国制限… 変化するあらゆるもののそばで〜徒然アメリカ滞在記

“Does Donald Trump still think climate change is a hoax? No one can say.”
本当にドナルド・トランプは、いまだに温暖化は嘘の情報だと思っているのかは、なんともいえないが…。

ーNew York Times より

L.Aに到着。多様性と意識格差とトランプと

Los Angeles

ルート66でのドライブを終え、ロサンゼルスに到着。
一足先に待ち合わせ場所に来ていた友人と落ち合いました。

「いやね。時間があるときにアルバイトができるだろ。俺はリタイヤして家でゴロゴロしていた。それは寂しいことさ。でもUber(ウーバー)に登録すれば、色んな人に会えて、仕事になる。しかも、好きな時に自分の車でお客を運んでお金にもなる。嬉しいし楽しいね」

レンタカーを返したあと、そんな彼の車に乗って近くのスーパーマーケットで買い物をします。

「デイツが積んであるよ。買っていこう。香辛料も」 ※Dates:なつめやし
友人がそういって、カートに中東の食品を買い込みます。

ロサンゼルスの南、ニューポートビーチの近郊。

このあたりは様々な移民が住んでいて、多くの人は豊かな暮らしをしています。

「考えてもみてよ。このあたりに住んでいる人は皆アメリカ社会に溶け込んでいるどこか、地域に貢献している。もし中東からの入国が制限されたら、ここにいる人の多くの家族や親戚と離れ離れになるじゃない」

友人とそんな会話をしながら、トランプの政策を批判しながら、スーパーマーケットでの買い物を終えます。

「ウーバーは、ごく普通の人が申し込んで、運転手に犯罪歴がなく、ちゃんと動く綺麗な車を所有していることを証明できれば、誰でも簡単にドライバーになれるんだ。複雑で厄介な手続きなんてないよ」

スーパーマーケットの帰りに呼んだウーバーの運転手がそう説明すると、友人がそれに応えます。

「今回もiPhoneのソフトを使って呼び出せば、たった2分で自分が必要としているサイズの車がやってきたね。もうタクシーはいらない。タクシーよりも便利で安全、しかも料金も事前にちゃんと設定される。ウーバーからおりてコンピュータをあければ領収書もメールで配信されている」

「そうだね、日本ではやれ二種免許が必要だのなんだのって様々な規制があって、こうしたアイディアが事業化するのにとても時間がかかる」

デイツを食べながら、友人とそんな話をはじめました。

「俺かい。そうだね。今日はあと二人客を運べばもう十分。家に帰るさ。うーん、明日はプログラミングの仕事をやって、明後日は1日休み。あさってはウーバーのドライバーかな」
 
運転手はごきげんです。
 
 
そしてこんな会話をしていたとき、ドナルド・トランプがパリ協定から離脱し、地球温暖化に背を向けるというニュースが聞こえてきました。

「いやね。地球の環境を無視して、アメリカの反映もなにもあったものじゃないよ。このあたりじゃ誰もトランプを支持していない。アメリカは分断されているよ。1週間前に出張に行ったカンザス州では多くの人がトランプを支持していた。
デイツや中東の香辛料がアメリカの食品に混じって並んでいるカリフォルニアに世界の知識が集積されていることなんて知らない連中がね。
仕事がなくなれば、ウーバーの運転手になればいいという発想もない奴らだよ」

これはアメリカ人の友人のコメントです。

「実はね。これは人種や貧富の差による確執gapじゃないんだよ。大学教育を受けていない層とそうでない層との確執さ。
ライフスタイルの変化や多様性を知っている人と、そうでない人との間の格差なんだ」
ウーバーの運転手はニコニコ笑ってそんな会話を聞いていました。

 
シリコンバレーと同様、南カリフォルニア、特にロサンゼルスの南側は様々なIT企業が多く、明るい空とパームツリーが並ぶ典型的なカリフォルニアの風景が広がっています。
しかし、その中には複雑な移民社会が広がっていることも事実です。
中には、自らのアイデンティティに苦しむ人々が、そしてアメリカ社会に適応できない海外から来た人が、アメリカ社会そのものに敵意を持つこともありえます。

サンベルナルディーノ(San Bernardino)は、ロサンゼルスの東の端にある都市です。
そこでもロンドンやパリと同様に、2015の暮れに無差別殺人事件がおき、犯人は過激なイスラム思想に傾倒した移民カップルでした。

しかし、今のアメリカも昔のアメリカも、そんな移民パワーと知恵なくしては社会は反映できません。
世界で愛用されているウーバーも、多彩な食品の並ぶスーパーマーケットもできてはいないはずです。
そして、私の友人でIT企業の社長をしているこの人物も、北アフリカ出身の敬虔なイスラム教徒の一人なのです。

「俺は元々シカゴの生まれだけど、親父はアフリカだよ。シカゴは寒いけど、こっちは過ごしやすいって親父は言っているよ」
ウーバーのドライバーがそう言いながら、我々の滞在するホテルに車を滑らせました。

「チップも料金に入っているし、料金の20%がウーバーの本部にとられ、残りはドライバーの収入になる。だから、このままおりてもいいんだけど、荷物の積み下ろしも手伝ってもらったし、3ドルぐらいお礼をしようか」
そういって、ドライバーに紙幣を渡すと、うれしそうに、
「このあたりにいるから、また俺の車を見つけてくれれば、いつでもどこにでも連れて行ってやるよ。Have a nice stay in L.A!」
と言って、去ってゆきました。

アメリカのある1日の風景です。





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